夏その四

それにしても我が母の怒りは収まらなかった。そして「最後通牒」を突きつけた。それは叔父の家が我家の敷地に建っていたので、自分の敷地に移設せよとのことだった。然し我家を通過することも許さなかった。従って幾つかのブロックに解体して、隣のK氏宅と河岸の狭い所を、引き摺って南側の畑に移動したのである。その小さな家も、数年後には叔父が栄転して熊本市に転居したので、足が悪い老父が暫く住んでいた。それから更に数十年後、そのオンボロ古民家も役目を終え、最後は私が業者に依頼して解体廃棄した。それにしても、サラリーマン家庭では、田舎に住むのは、憧れは別としても難しく、少子高齢化の現在、都市近郊でもなければ、古くて大きな古民家は、家主の重荷にだけにしか、ならない運命の様である。