梅雨その十六

昨夜はJAグリーン会館で、知人の祖母の通夜が営まれ、私も同級生と共に参列した。それにしても葬儀に付きものは、僧侶が朗読する読経である。宗派に依り、同じ文句とは言えないが、何よりも心打たれる文句は「白骨の章」と呼ばれるくだり。この章を読むことにかけて、最も上手で涙を誘う住職は、浄土真宗、本願寺派、玉名市慶専寺の、先代の住職であった。下手な読経は眠くなるが、上手な読経は涙を誘う!この住職は洒脱な人柄で、決して威張らず、我家に来られても、頭が低い人だった。それも有って私はその時分、門徒総代の重職を、若造ながら引き受けたのであった。