梅雨その六
梅雨というものは、梅雨前線の活動次第であり、大雨の年も有れば、空梅雨の年もある。処が田植には適量の水が不可欠で、多過ぎると洪水となり、災害を惹起し、少ないと稲が上手く育たない。其処で工夫されたのが、給水路である(昔は井手と呼ばれていた)。井出とは、川の水を堰き止めて水位を上げ、田圃に水を導く導水路のことを指す。嘗ては単なる溝だったが、昭和から平成に掛けて、コンクリート製となり、今現在も現役として使われている。毎年「溝浚え」と称する公役が、春先にかけて催されるのが、その始まりである。