田植その十二

然し昭和の終焉と相前後して、耕地整理の時代が到来して、農村風景は一変したのである。それは機械化からの要請でもあった。それ以前の所謂牛馬農業から、トラクタを始めとする、農業機械を使うには、圃場が狭く、不定形では機械効率が上がらない。要するに広くて矩形の農地を求めていたのである。そんな中、我家もその渦中に巻き込まれ、それこそすったもんだの、大騒ぎになった。この件については既に別項に述べたので省略するが、丁度私が就職した頃の事だったように、記憶している。一言で述べれば、我家の多大なる犠牲の基に、他の地主も、優良農地を得ることが、出来たのであった。