桜その八

私は斯様に植樹が好きで、様々な木を植えたが、木は思いも依らない程、大木に成るものである。その一例が、ニッケイで、今や見上げる程の大木に成長している。恐らく半世紀以上の昔、ニッケイの皮をかじって、ラリっていたような記憶がある。ニッケイの根を掘り出し、綺麗に洗って干した後、その皮をかじると、脳天に一撃を食らったような、強烈な味と匂いが、鼻から口に掛けて一杯に広がる。そして病みつきに成るのである。