トイレ

過日「男に生まれて良かった100の理由」と云う、手前勝手な項目が並んだパソコン画面を漫然と覗いていたら、面白いことに気が付いた。「トイレ」についての記述がとても多かったのだ。
そのⅠ:女性のトイレ行列は男性の5倍。
即ち、女性のトイレに要する時間は、男性の5倍と言うことで、成程とも思える。然しこれは団体旅行などでのトイレ休憩時、男性用の小便器と同じ数、女性用のトイレもあると仮定した場合の話である。スペースの関係でそれ程用意してなければ、トイレ使用時間は5倍も掛からないという事になる。
そのⅡ:トイレ掃除をしなくても良い。
これも成程と頷ける。男女同権の現代、男性も女性同様にトイレ掃除をすべきかも知れないが、問題もある。トイレは一般家庭でも公衆用でも、男性用と女性用は通常一対で設置されている。これを男性が掃除するには女性用トイレにも入らねばならない。男性が公衆トイレを清掃中に、女性が用足しに入ったら、間違いなく痴漢と思われるだろう。だから通常トイレ掃除は女性、痴漢等ものともしない、逞しい年配の小母さんがやっているのである。然し私が2年余出向した中小企業では、トイレ掃除は全社員の輪番制だった。当然私もその一人であるべきなのに、専務に何度お願いしても、私だけは免除された。だから私は仕方なく、大便の後はこっそりブラシで便器を洗っていた。
そのⅢ:トイレに行くのに理由は要らない。
これはちと首をかしげる。女性はトイレに行きたい時、何らかの言い訳や嘘をつくのだろうか?それは若しや恥ずかしいからか?然し生理現象が恥ずかしいなら、食後のゲップはともかくとしても、咳も、クシャミも、鼾も、オナラも、鼻をかむのも同じ生理現象だろう。私が親しかった女性の中にそんな人は覚えがない。
そのⅣ:世界のどこだって小便が出来る。
これもちょっと首をかしげる。「万里の長城から立小便すれば、ゴビの砂漠に虹が立つ」という“迷文句”があるが、例え男性であっても、立小便はやはり国際マナーに反する。だから私は海外に行った時「トイレはどこですか?=Where’s a toilet?」は最初に覚えたし、多用した。それは去る6月の英仏旅行でも同様だった。尤も欧米諸国はおろか世界中の街角で、日本ほど公衆トイレと自動販売機が多い国はない。諸外国で外出中にトイレに行きたくなったら、レストランか店舗に入って用を足すしかないし、それをしても厭な顔はされない。勿論出掛けには“Thanks”と幾ばくかのチップを忘れないのが国際マナーである。
話は変わり、過日我がアパート住人の一家が退去された。今年になって何家族目になるだろうか?退去理由は、来年小学校に上がる子供の同級生が、女子はたったの2人しか居ないからだった。転校先は4クラスもあると言う。これを“危機”と呼ばずして一体何と言うべきだろうか?そのご一家は、アパートに自前のウォッシュレットを取り付け、そのまま退去されたので業者に依頼して取り外した。我家のトイレもウォッシュレットに改造して15年程になるが、遂に故障したので先月交換した。
現在私は、25年程前に建てた物置の老朽化がひどいので、倉庫兼イベントスペースに立替えを計画している。その準備の為に、本日まで滞在したwwooferさんと内容物を整理し、周囲の樹木の枝打ちをした。真夏の1日、木々の伐採・切断・焼却をする仕事は、焦熱地獄そのものである。
そうそうトイレのことを忘れていた。我家には昔から、家族用、来客用、屋外用の3組のトイレがある。この内前二者の浄化槽は、建坪比例計算上12人槽となっており、定期点検時に清掃業者から、有機物(糞尿)不足を指摘される。処がパーマカルチャー式トイレは、コンポストトイレと云い、水洗をせず、バクテリアの力で糞尿を分解する仕組みである。これも糞尿を定期的に供給して初めて機能する。若し私がイベントスペースに、4番目のコンポストトイレを作ったとしよう。我家は家内と私の2人暮しである。私も家内も大便は、通常1日1回である。と云う事は平均的に使用しても、各トイレは2日に1度しか使用しないことになる。さりとてウォッシュレットがあるのに、態々屋外に出てコンポストトイレに行かねばならないのか?私は今トイレが多過ぎる贅沢な悩みを抱えている。終わり